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67 グローバル流通の苦難と挑戦

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しかし、コロナ禍に入り一気に重要性を増したDX(デジタルトランスフォーメーション)やサステナビリティ(持続可能性)への取り組みは、コロナ以前から起きつつあったトレンドでもある。コロナは私たちの世界をまったく別のものに変えてしまったわけではなく、もともと起きていた変化を加速させただけだと捉えることもできる。未来を見据えて準備を進めてきたかどうかが、コロナ禍によって如実に表れたかたちだ。

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しかし近年、ECを主軸として展開してきたD2Cブランドを中心にITを得意とするデジタルネイティブな企業による実店舗への進出が増え、もはや「IT企業」「小売業」の区分けは意味がなくなってきている。代表的な存在が、「ワービー・パーカー」や「グロッシアー」といったD2Cブームを牽引してきた企業である。

歴史をたどれば、小売企業が企画・生産のメーカー機能を垂直統合してSPA(製造小売業)へと発展しはじめたのは1980年代の後半~1990年代にかけてのこと。「GAP」に始まり、「H&M」「ZARA」「ユニクロ」などがグローバルSPAと呼ばれるようになった。彼らは2000年代からECに力を入れはじめ、初期にはオンライン(EC)とオフライン(実店舗)のふたつのチャネルを展開するオムニチャネル化を推進。近年では、オンラインとオフラインを融合して利用者のニーズにあわせて自由に横断的に活用してもらうOMO(Online Merges with Offline)の取り組みを進めている。

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同様に、小売企業のデジタル化に対して、アマゾンやアリババなどのプラットフォーマーがものづくりや実店舗展開を始めたことも新たな流通戦略の流れと見て取れる。アマゾンは、実店舗展開の原点となる「アマゾン・ブックス」の1号店を2015年にシアトルにオープン。その後、無人店舗の「アマゾン・ゴー」を開発したり、2017年には当時約470店舗を展開する自然食品スーパーの「ホールフーズ」を買収するなど、実店舗への参入も強化している。さらに、近年PB(プライベートブランド)開発にも力を入れている。

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「リアルとデジタルの融合」という点では、店舗での顧客接点と、店舗で得られたデータを収益源とするアメリカの「ベータ(b8ta)」の存在が象徴的だ。ベータはショールーミングの場として店舗を活用することで、「接客してもらったからには何か買わなければ」という罪悪感を払拭し、商品の発見や体験を楽しんでもらうことが結果的に販売につながるという考え方で生まれた企業である。一部その場で購入もできるが、従来型の小売店のように店頭での売上に応じてマージンを受け取るのではなく、店頭で得られたデータによる定量情報や接客で得た定性情報をブランドへの提供価値としているところに新しさがある。2020年8月には日本にも上陸し、世界で着々と店舗網を増やしている。

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